50歳にしてリストラされる

体験談

会社を去る

今から十数年前、私は所属していた会社から退職勧告を受けました。
理由は、所属していた部署がなくなり、私の存在価値がなくなった、ということです。
会社から必要とされなくなるということほど、みじめなことはありません。
50歳で上位の役職についてないと、使い道がないのかもしれません。

当初は固辞し他の部署への異動願いも提出しましたが、あっさりはねのけられました。
裁判をおこすことも一時考えましたが、勝訴したとしても継続して雇われる保証もありません。
おそらく、退職金に上乗せという判決になるのでは、という予想から会社側は当初から退職金に上乗せの条件を提示してきました。

裁判をおこす費用のことを考えたら、上乗せの条件を最初からのんだほうが、金銭的には高くなるのではという弁護士のアドバイスもあり、会社側の条件をのんで退職金+上乗せ分で、退職を受け入れることにしたのです。

会社とのやり取りは2か月続き、まさに「精魂尽き果てる」という感じでした。
そして、年末の寒い時期でしたが、会社を去りました。 送別会はこのような状況の中、当然ありません。

退職の日、自分の荷物をまとめ、事務所内にいる同僚に「お世話になりました」とあいさつをし、15年間過ごした会社を後にしました。

娘と妻の支え

家族はあまり深刻に受け取るという感じではありませんでした。「しようがないよね」と言ってくれたのが唯一の救いです。

ただ、一人娘がまだ中学生でこれからの高校、大学の教育費のことを考えると不安になる一方でした。

ありがたいことに、娘は国立大学の医学系に進学しました。
親孝行の娘だと本当に感謝しています。
いまでは、総合病院で検査の仕事をしています。

妻はというと正職員になるべく、就職活動を始め、今では人材派遣会社で日々忙しくしているようです。

IT関連の就職活動

私はしばらくは失業手当をもらいながら、ハローワークや求人サイトや雑誌で、当初IT関係の会社を中心に就職活動を続けました。


しかし、やはり年齢の壁は厚く、50歳と言った時点で門戸は固く閉じられます。

IT業界は初心者でも吸収力のある柔らかい頭脳、過酷な残業?にも耐えられる体力を求めているのです。

かなりの専門性を身に着けたエンジニアであれば、それこそ60歳過ぎても雇ってくれる会社はあるようです。特に首都圏は多いですね。

私はどちらかというと広く浅くやってきましたし、実践力に欠けるところがあるんです。

売り込めるような目玉となる技術力がないと、自分でも自覚しています。

昔のC言語までは実務でバリバリ使っていましたが、オブジェクト指向の代表格JavaやC++などは今でもなかなか使いこなせないです。

履歴書を送っても多分だめだろうなと感じながら、まさにそうなることを繰り返していた時期もありました。

病院のシステム管理の仕事に就く

幸い、昔の仕事関係の社長さんの紹介で熊本市内の総合病院のシステム関係の仕事に就くことができました。

名目は派遣ですが、実態はアルバイト。時給いくらで月何時間働いたかで給与が決まる。

トータルで8年ほど在籍しましたが、有休も賞与もなし。正社員になることもできたのですが、自分自身でそれを避けてきました。なぜなら、正社員より「気楽?」だからです。

でも、一人で二つの病院と5つの福祉施設を見なければならないので、結構大変でした。

ヘルプデスク的な仕事がメインで、障害対応に追われる毎日でした。

新しいサーバーを導入するときは大変でしたが、業者さんが良心的な人ばかりで、かなり助けられました。一人ではとてもできなかったでしょう。そういった専門性の高い業者さんとは今でもフェースブック等でやり取りをしています。

そのサーバーは今も元気に働いているそうです。

職種を選ばない就職活動

病院の仕事だけでは、収入が少ないので、機会をみてはダブルワークをしていました、

家のローンも残っており、貯金もほとんどない状態をなんとかせねばと考えると、もう仕事の内容にこだわらない、なるだけたくさんのお金をいただける仕事であれば職種を選ばないという考えにシフトしていきました。

リストラされてから従事したWワークの仕事(アルバイト)は、多方面にわたります。

■警備(工事現場誘導、案内板を持つ係、葬祭場の駐車場整理と案内係、夏場は暑さに耐えられない)

■食品工場のコンビニ商品(弁当やパスタ)製造(夜中、おばちゃんたちが結構きつい)

■大手菓子パンメーカーの生産ライン(夜中、パンがラインを流れていくので作業が必死!)

■古文書をフィルムに残す時点での汚れ傷のチェックや修正(デスクワークだけど眼を酷使)

■代行運転(夜中、相棒にたまにやくざっぽいドライバーがいて怖い思いをした)

■土木関係の日雇い労働者(これはきつい!殺されるかと思い途中で投げ出して帰った)

■新聞配達(二日目にバイクで転んで膝を骨折、2週間入院、バイクは向いてない)

■飲料メーカーのボトルチェック(夜中、ボトルに傷がないかずっと一点を見続けるのはハード)

■パソコン教室の講師(いろいろな教室でオフィスからプログラミングまで。働いた時間も一番長かったけどこれは楽しかった)

■病院の看護助手(採用後辞退)

■老人施設でのお年寄りの介護など(採用後辞退)

採用後辞退した仕事は介護の仕事で、「お年寄りの下の世話」というところが、やはり私にはハードルが高く、今後も介護の仕事は仕事の視野には入らないでしょう?恐らく

逆に、「それ」が気にならなければ、長く続けられる仕事だと思います

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