シニア世代の就業状況と就業意識

定年を迎えて、次にどんな仕事があるのか会社勤めの身分では結構重要な要素です。
特に会社側の事情で早期のリタイアを余儀なくされたときこれは個人にとって大きな問題となります。
シニア(50歳以上)の就職状況について、行政の関心は大きく、シニアを雇えるように会社側に雇用の助成制が設定されています。


しかしながら、ある特定の業種を除くとあまり進展はみられません。
65歳から年金をもらえることから年齢制限を65歳としているところが多くみられます。
最近政府も70歳、あるいはそれ以上の年齢制限を緩和するような政策を取り始めているようです。
ただ、これにはからくりがあり、年金の支払いの開始時期を先延ばしにしたいという年金問題が大きな問題としてありまいるようですね。

定年後も再雇用の機会を多く設けているのは、製造業などで現場の仕事、事務職の場合は高度な資格が生かせる仕事などがあります。
60歳過ぎてからの再雇用制度では、人員が足りている業種ではあまり採用されないようです。
シニアの絶対数も今後増えていく一方で、雇用が延長されることはなかなか実現が難しいと言わざるを得ません。
会社の業績も悪くなればより厳しい環境が待っています。大幅な給与カットや正社員ではなく人材派遣やパートという形も取らざるを得なくなってきます。
会社に頼り切るのではなく、自身で自分らしい仕事を見つけ出すという姿勢が大事です。

■労働力人口に占める高齢者の割合は増加している
シニアの人たちは仕事を定年で辞めた後、どうしたいと思っているのでしょうか?
ここ4,5年の高齢社会白書によると、高齢者の就職の現状は
平成28年では、65歳~69歳の労働力人口は450万人、70歳以上は336万人、65歳?以上の労働力人口に占める割合は11.8%と年々増加の傾向にあります。

■約8割が高齢期にも高い就業意識
「働ける間は何歳までも働きたい」と考えているシニアが4割もいるのです。
70歳?くらいあるいはそれ以上まで働きたいという人の割合は8割もいます。
この統計をみて、逆に勇気づけられたシニアの方も多いのではないでしょうか?

■60歳を過ぎても働く人が多い
仕事をしているシニアでは、男性は55~59歳で就業割合が90%、60~64歳が77%、65歳~69歳で53%という高い数字になっており
60歳以上であればかなりの人が何らかの仕事に就いています。
女性の場合は、55~59歳で就業割合が69%、60~64歳が50%、65歳~69歳で33%という数字が出ています。

■就業者に占める65歳以上の割合が増加
平成28年は全就業者のうち60~64歳のシニアは8%、65~69歳は7%、70歳以上は5%となっています。
働く人全員に占めるシニアの割合は年々増加しています。

■65歳以上の非正規の従業員の割合は7割以上
65歳以上の雇用されているシニアについてみると、非正規の従業員が多くなっています。
平成28年では正規のじゅう従業員が100万人に対し、非正規が300万人であり、全雇用者に占める割合は75.3%となっています。

■シニアの雇用情勢は改善傾向
シニアの就業状況について、2008年~2010年は景気の悪化の影響もあり60歳~64歳の失業率は2010年まで増加の一途をたどっていましたが
それ以降は減少し始め2016年には60歳~64歳までの完全失業率は3%まで下がりました。これは全人口に対する失業率とほぼ同じとなりました。
企業側も人手が足りないといった悩みもあり、求人数もかなり多くなってきています。

社会と接点を持つことの重要性

長年勤めた会社をリタイアした私と同世代の知人から、いろいろな話を聞く機会がありますが、
結構な数のシニアが、定年後も会社に残りパートタイマーで働いたり、もっと余裕のある人はシルバー人材センターで趣味などを生かした仕事をしています。
定年後は必然的に人と接する機会が減ることから社会性をより維持したいと考えているシニアが多いのが実情です。
今まで朝出勤し夜帰宅して風呂に入り夕食を食べるという生活に慣れてきたせいか、一日中家にいて時間をもてあまし、好きなことばかりに時間を
費やすような生活だと行動範囲も限られてくるし、お金もかかります。十分たくわえがある人で好きなことに完全に没頭できるひとならそれでもいいでしょう。
しかし社会との接点は限定されてしまいます。少しでも今までやってきた仕事に携われるならそちらの方が精神健康上も良いと思います。
会社をやめて、再就職する際も今までの経験が生かせる仕事があれば理想的ですが、ブランクがあるとなかなかスムーズにはいきません。
いずれにしても、定年前から雇用延長も含めて「働く」ことを意識していた方がよいでしょう。

今までやったことのない仕事に挑戦するのもおもしろい

自分の専門性が生かせる仕事ならば、比較的すぐに見つかるかもしれません。
私はIT関連の仕事をしてきましたが、知人のつてもあってパソコン教室でエクセルやワードの資格取得を目指している求職者にパソコンを教える機会がありました。
また、逆に全くITとは関係のない仕事も経験しました。
このあたりの話は自分の体験談に乗せていますので、こちらからご覧ください。
私の場合は定年ではなく、早期のリストラだったので、すぐにでも仕事を探さないと生活が立ち行かなくなるということもあって色々な仕事を経験しています。


いずれにしても、定年後の仕事は「初心に帰る」というこが大事だと思います。
いままで人を使ってきた立場から、人に使われる立場に変わるわけですから、謙虚さがとても大事になってきます。
学歴は全く関係がなくなってくるので、特に人に使われることに慣れていない人はそのことを心掛ける必要があるでしょう。
実際、こういった仕事につくシニアは前職に関係なくとてもまじめな方が多いです。
私もいろいろな仕事を経験しましたが、同年代のシニアと話をしていると多くの優しさをもらうことができ、仲良くなると飲みにいったりしてそこでまた、趣味などの話で意気投合し盛り上がることもあり、とても楽しいです。


その人の専門性を自分の技術をうまくマッチさせて、なにか事業ができないだろうかという話まで発展することも多々あります。
実際、その事業についていろいろとしらべている最中です。
仕事の業種、職種は特殊な仕事も含めリストアップするとかなりの数になると思います。
その中から、やってみたいと思うものがあれば求人サイトにエントリーしてみてください。
面接を受けるだけでも勉強になりますよ。

60歳からの生きがいと自己実現を目指す

会社を退職後、65歳以上の再就職は、派遣あるいはアルバイトでも難しくなっていくのがシニアにとっての大きな悩みです。
定年も再雇用の場合は65歳としている企業が多いようです。
そうすると65歳以上のシニアは雇ってもらうということより自分自身で独立して仕事をするという選択肢もありです。
ただ、自分自身ですべてを仕切らなければならないので収入は期待できません。生活をするためにお金が必要というひとには難しい選択肢になります。
そうでなければ、自分の好きなことで自己実現や充実した生活を送るという考え方も大切にしなければなりません。

自分の好きな分野のこと、それが他の人に役立つことであれば、65歳からでも自己成長やスキルアップが望めます。
自分の好きなことをして、人から感謝され、結果としていくらかの収入が得られれば、こんなにうれしいことはありません。
現代はいかに社会のためになるか価値があるか注目されます。
大企業で会社のために一所懸命仕事をして、利益をあげたところで本当の充実感を感じることはそう多くはないでしょう。
定年を迎えたとき、そのような現状から解放されてほっとする人もいるでしょう。
定年後は世の中全般に役に立つNPOなどの仕事につくことができるチャンスなのかもしれません。

■人生でやり残したことはないだろうか?人生の仕上げを考えよう
60歳になると「この先何歳まで元気にいられるのだろうか?」「いつまで生きられるだろう」といったことを考え始めます。
自分自身を振り返ってみると、やりたいことができただろうか?まだやり残したことがあるなど、明確になってくるでしょう。
やり残したことがなければよいのですが、もし残っていればあらためてじっくり取り組んでみることです。それが実現したらこれほどの生きがいはないでしょう。
自分が本当にやりたいこと(仕事を含め)に集中するのもとても大切なことです。必要なら家族の理解を得ることも大事です。
特に、趣味などお金がかかるようなことは家族の同意が必要です。

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